チップ・ミュージック、ポップ・ミュージック

音楽の年齢 ポップ・ミュージックは若さを本質としているように思われる。現在進行形の劇場はまさに「代わる代わる」の短周期での交代、交替をやめない。記録として残された過去のポップ・ミュージックへアクセスすることは、儚い世代の生を顧みることになる…

地図の効力

その土地は現実にある。私も歩いたことがある。何者かが所有する土地にはちがいない。長い時間の経過の要所で、所有者も入れ替わった。土地の形状も、境界も変化した。いつか、歩いていた私の前にはいなかった土地の権利者には、肉体がなかった。名前があっ…

謝辞

大谷さん、拙文の紹介とコメントありがとうございます。 本当に「遅れ馳せ」になってしまいましたが、「民衆(的)」が賭札となるように、これからも局所から書いていきたいと思います。 安岡さんの『僕の昭和史』は、一昨年の年末年始に読んだ覚えがありま…

『SITE ZERO/ZERO SITE』No.1 をめぐって(一)

表紙を顔に見立てる、これは事例としていかにも溢れているものの、ある種のブック・デザインは特異な(そして、しばしば欠伸の出るくらい凡庸な)類縁性を発揮する。それは、その書物がこの書物自体と似ていることである(歴史的としか形容のできない、書物…

「ラ・メール」「ペンギン・クエスチョン」「80年代」

詩人ぱくきょんみの広範な執筆領野は、二十年来のエッセイを編んだ『いつも鳥が飛んでいる』(五柳書院、2004)の刊行をもって、一般の読者に認められるところとなったと言ってよい。裏を返せば、ポジャギの写真にくるまれたこの本を編集された小川康彦さん…

大谷能生『貧しい音楽』

問題。君に見えているものを人々に見させること、それも、君が見ているようにはそれを見ていない機械を間に介して。 † そして、君に聞こえているものを人に聞かせること、君が聞いているようにはそれを聞いていないもう一つ別の機械を介して。*1 0.『貧し…